コラム
ロースティングプロファイルに使われる用語の整理および意味。ロースターによる焙煎の話: 1.
2019.08.22
ロースティングプロファイルに使われる用語の整理および意味。ロースターによる焙煎の話: 1.

 

焙煎には多くの専門用語が使われます。

 

初心者が勉強する場合、専門書籍を読む、インターネットを見る、といった方法がありますが、どの場合でも多くの用語が用いられています。今回はそれらの用語のうち、重要なものをいくつか説明します。

 

目次

1.BT, Bean temperature, コーヒー豆の温度

2.AT, Air temperature,対流熱の温度

3.TP, Turining point, ターニングポイント、あるいは中点

4.DT, Development Time, 1ハゼの後から最終排出までの時間

5.DTR, Development Time Ratio, 「(1ハゼから排出までの時間÷総焙煎時間)x100

6.RoR, Rate of Rise, 温度上昇率

 

 

1.BT


BTとは「Bean Temperature」、つまり、コーヒー豆の外部温度のことです。焙煎の進行程度を把握するのに用いられる指標の一つです。

 

一般的に、焙煎における変化には「物理的変化」と「化学的変化」がありますが、この、豆の温度は「物理的な変化」にあたります。過去には最も重要な指標とされていましたが、現在はあくまで主要指標の一つとして扱われています。

 

 

 

 

 

2.AT


ATとは「Air Temperature 対流熱の温度を意味します。焙煎の説明でよく使われている熱の種類は以下の3つです。

1.対流熱

2.輻射熱

3.伝導熱

対流熱とは、熱風、すなわち熱い空気が流れて豆に伝わる熱のことです。この対流熱の温度を測定したのがATです。

 

 

 

 

3.TP


TPは「Turning point,」ターニングポイント、あるいは中点と呼ばれる指標です。生豆を焙煎機に投入した後、ドラムの温度及び豆の温度は下降します。その下降が止まり、再び上昇する点のことを言います。

 

このドラムの温度上昇・下降について、その過程を詳しく説明します。生豆を投入する前にはドラムを予熱し、内部温度を一定温度でセットしておきます。その後に生豆を投入するのですが、投入したばかりの生豆は、ドラム内部と比べて相対的に温度が低くなっています。そのため、投入した時点からドラムの中の温度は一定時点まで下降していきます。そして、一定時点まで下降した後、上昇しはじめます。この上昇が始まった部分がターニングポイント(TP)、中点と呼ばれます。

 

TPは初期熱量の大きさを判断し,その後の流れを予想できるようにする重要な判断基準です。TP来る温度や時間を常に記録すると、品質管理(QC)に役立ちます。

 

例えば、同じ環境で(投入温度,投入後の熱量,豆の種類を同一にして) 焙煎をした際、TPが普段より上がっていたら、その他の何かが原因でドラム内部の熱量が以前より増えていることをわかります。ちょうど気温が暑くなる時期ならば、そのことによる変化かもしれません。

 

TP変われば、全体的なプロファイルにも影響を及ぼし、焙煎結果も変わります。このような場合は生豆の投入温度を低くすることで、TPを下げることができます。 

 

 

 

 

 

4. 1ハゼ(1st Crack


1ハゼとは、豆の内部に存在する水分が水蒸気になって、豆の外に出てくる現象のことを言います。

焙煎時、時間が経過するにつれて熱が豆の内部へとい伝わっていきます。すると、豆の内部に存在する水分は蒸気化します。蒸気化された水分は豆の中の圧力に勝てず、コーヒー豆中で最も構造が弱い部分を裂けながら外にでる時、バチバチ音がでます。ちなみにこの時、アロマ成分も蒸気と一緒に出るため特別な香りも感じられます。この香りは各生豆の特徴によって異なります。

 

 

 

 

 

5.DT


Dtは「Development time1ハゼの後から最終排出までの時間の長さのことです。1ハゼ以降からコーヒーの味が出始めているという意味で付けられた名前です。

 

 

 

 

 

6.DTR


DTRは「Development time ratio」の略で「(1ハゼから排出までの時間÷総焙煎時間)x100」で算出される数値です。%で表されます。例えば、総焙煎時間が8分で1ハゼから排出までの時間が1分だったら、

 

(1÷8)x100=12.5(%)になります。

 

焙煎科学には様々な要素が立体的に相互作用します。 そこで、いろんな要素が含まれている指標の方が優れた基準になります。

 

DTには「1ハゼ後時間」という一つの要素のみが入っていますが、一方、DTRには「1ハゼ後の時間」と「総焙煎時間」という二つの要素が含まれています。二つの要素を一つの数値で表現できることは焙煎の状況の立体的な理解を助けます。DTが同じでもDTRが異なれば、1ハゼ来るまでに豆に加わったトータルの熱量が異なるため、焙煎結果はコーヒーを実際に飲まなくてもわかるくらい明確に異なります。この説明は、後ほどの投稿で詳しい例とともに説明する予定です。

 

 

 

 

 

7.RoR


RoRは「Rate of Rise 温度上昇率です。

一定時間単位あたりで温度がどれぐらい上昇するかを示す指標です。 「一定時間単位」とは、プログラムによって異なりますが、基本的に30秒ごとまたは1分ごとに設定されています。

 

Cotteaが使う焙煎機、「s7 pro」は30単位でRORを測定します。RORは、今与えている熱量が豆にどれほどの影響を及ぼすかを示す指標です。豆の状態は焙煎が進むにつれて、時々刻々と変化します。

例えば、水分率が変わり、それに伴って密度も変わっていきます。 ロースターが同じような熱を加えても、焙煎の初期に豆が受ける熱と、焙煎・後期に豆が受ける熱では焙煎に与える影響が非常に異なってきます。  

 

先述のBT変化グラフも温度変化を見る役に立ちますが、ROR継時的な変化を含む数値ですので、こちらの方がより詳細に豆の変化を示します。最近になってRORグラフの形態とコーヒーの香りとの相関関係について多くのロースターが注目しています。Cotteaでも注目している指標で、焙煎する時にはいつも注意深く見ています。 今後、このことに関する記事もアップしていく予定です。

 

 

 

まとめ


ここまでロースティングプロファイルを扱うときに把握すべき専門用語について整理してみました。 たくさんの用語がありますが、しっかり理解すれば、焙煎の勉強に大いに役に立ちます。各項目のうち、いくつかの項目は今後、より詳しい内容の記事をアップする予定です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 


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