コラム
焙煎に影響を与える要素の総まとめ : ロースターによる焙煎の話: 2.
2019.08.22

焙煎に影響を与える要素の総まとめ : ロースターによる焙煎の話: 2.

 

焙煎は、すべての物理的変化,化学的変化及び環境的な要素すべてを考慮した上で行わなければいけません。

以後、この記事では、すべての要素を組み合わせて焙煎を理解することを「立体的な理解」と言います。「立体的な理解」は、焙煎の再現性を高めるのに大いに役に立ちます。

 

今回は、焙煎に影響を与える諸要素をご紹介します。これらの知識は、皆様の「立体的な理解」の助けになることでしょう。

目次

1)非常に重要なもの : 生豆、密度、水分率、豆の模様、粒の大きさ、時間、温度、火力

2)重要だけれども見落としやすいもの : 天気(気圧)、排気、心。

 

 

 

1)非常に重要なもの


生豆

・処理方式

washed、natural、honeyなどがあります。処理方法の違いによって、焙煎に影響する生豆の様々な成分が変化します。例えばnatural、は比較的に焦げ易いです。

 

密度

生産高度が高いほど高くなります。密度が高く、後述の水分率が高い豆ならば、

強い熱を加えても焦げにくいですが、密度が低く水分率が低い豆は、強い熱を与えると焦げてしまいます。

 

水分率

生産時期が新しければ新しいほど水分率は高いです。

処理方法は、washedの方がnaturalよりも水分含有量が高くなります。 

 

豆の模様

ピベリのような場合には一般生豆より焙煎進行速度が早いです。

 

粒の大きさ

大きさによって焙煎進行速度が異なります。シングルオリジンの場合、サイズが大きすぎたり小さすぎたりした豆は、焙煎する前にハンドピックで取り除きます。 

 

時間

焙煎する時に一番重要な指標です。 基本的に時間を長くすると深煎りに、短くすると浅煎りになります。 

品質管理のためには総時間時間だけでなく、一ハゼ・二ハゼが来る時間、ターニングポイントが来る時間、一ハゼから排出までの時間などをいずれも管理しなければいけません。

 

温度

 ・生豆の投入温度

焙煎機のドラムを予熱温度とともに、ターニングポイントに直接影響します。 

 

豆温度

-投入前

 管理状態や季節によって豆の温度は変わります。 冬には豆の中の水分が凍ってしまう可能性もあります。

なるべく均一な温度に管理した方が均一な品質で焙煎することができます。

 

-投入後

 投入温度と火力によって時々刻々と変わります。

 

火力

基本的に強くすると焙煎が早く進み、弱くすると焙煎がゆっくり進みます。 

水分率は時間が経つほど低くなるので、豆の内側の水分を利用して

豆の内側まで熱を伝達したい場合は、まだ水分がたくさん残っている間に強い熱を加えます。

 

 

 

2)重要だけれども見落としやすいもの


天気(気圧)

気圧が下がると、焙煎機の排気がうまくできません。

 

排気

焙煎機の排気状態は非常に重要です。 焙煎する前に天候のチェックはもちろん、排気管の状態を常にチェックしなければなりません。

焙煎機の中には排気の調節ができる焙煎機もあります。そういった焙煎機では、天気と気圧によって排気の度合いを強めたり弱めたりすることもできます。

 排気状態が良くないと熱が溜まる可能性があります。 熱が必要以上に溜まるとRoasting defect(焙煎不良)と呼ばれる現象が起こります。(この焙煎不良に関しては、今後の記事で詳しく説明していく予定です)

 

焙煎は高い集中力が求められる作業です。そして、何度も何度も繰り返し行わなければいけません。

 その繰り返しの作業の中で、おいしいコーヒーに向けた情熱が消えてしまわないように注意する必要があります。情熱は焙煎結果に現れます。

お客様に美味しいコーヒーを提供しようと思うロースター本人の心こそ、どの技巧よりも重要なものなのです。

 

 

 

 


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