コラム
熱の分類と焙煎機の分類 : ロースターによる焙煎の話: 3.
2019.08.22

熱の分類と焙煎機の分類

 

どんな焙煎機を買えばいいか悩む前に、まずは、焙煎機にはどのような分類・種類があるのか、ということを知ってみましょう。



目次

1.熱の分類 : 対流熱,伝導熱,輻射熱

2.機械の分類

⑴焙煎機動力の種類による分類(ガス/電気)

⑵配電器構造による分類(熱風式/半熱風式/直火式)

⑶火の種類による分類(エアロ/赤外線ランプ/ 環境ランプ)

 

 

1.熱の分類


まず最初は、焙煎機の分類の説明をするために必要な、熱の種類の説明をしていきます。



⑴対流熱

加熱された気体や液体が循環し、熱を伝えることを対流と言います。 熱い風が豆を過ぎながら熱を伝達します。

 

⑵伝導熱

温度の高い物体と低い物体が伝導体を通じて熱を伝わる方式です。 予熱をした熱いドラムに冷たい生豆が入ったとき、もしくは、温度差がある異なった生豆同士がドラムに入っているときは、水分を媒介にして熱が伝達されます。 

 

⑶輻射熱

伝導や対流とは違って伝導体なしに伝達される熱です。 加熱された生豆やドラムなどが赤外輻射を発散します。例えば、 ある豆が熱いエネルギー波長を出すと、横にある豆もそのエネルギーによって熱されます。 バッジサイズが大きいほど輻射熱が大きくなります。 焙煎の際、この輻射熱の影響は非常に小さいです。



2.機械の分類


⑴焙煎機動力の種類による分類(ガス/電気)

 

ほとんどの焙煎機はガスを利用して熱エネルギーを作ります。 一方、100% 電気を利用して作る場合もあります。 この違いは、例えばガスコンロとIHヒーターのをイメージしていただければわかりやすいかもしれません。

 

〔ガスの場合〕

ガスバーナーの構造、ドラムの構造により、対流熱・電動熱の影響の割合は焙煎機により異なりますが、一般的に、ガスの特性上伝導熱の影響の割合が大きいです。

バーナーの強弱調節による温度の変化が早いのも特徴です。 



〔電気の場合〕

機械の構造的に、一般的に対流熱の影響の割合が大きくなります。もちろん、配電器の種類により伝導熱の割合が大きい構造を持つものもあります

対流熱の割合が強くなると、火の強弱を調節しても温度の変化が少し遅れます。



 

 

⑵配電器構造による分類(熱風式/半熱風式/直火式)

 

この分類用語は、日本でよく使われます。

 

 

〔熱風式〕

熱源と対流熱を100%使用する焙煎機のことです。熱風が豆を通過する方式です。 電気形式もガス形式も存在します。ガスの場場、火が豆の入ったドラムを直接熱するのではなく、空気を暖める用途にだけ使います。

 

〔半熱風式〕

ドラム形式が大部分がこの方式です。

ドラムの下にガスバーナーがあります。 二重ドラムの場合もあります。 ドラム缶に穴はあいていませんが、ドラムに熱を加えることで生じる圧力で熱風を作り出します。

 火によって熱くなったドラムから伝わる伝導熱と、圧力差によって生じた熱風(対流熱)で加熱します。

 

〔直火式〕

半熱風式に似た構造ですが、こちらはドラム缶に穴があります。 火とドラム缶はある程度の距離があって直接には届きません。 伝導熱と輻射熱が主です。 

 

これらの方式の中で主流なものは、熱風式と半熱風式です。 ただし、それぞれの焙煎機の構造は少しずつ異なるので、 〔熱風式/半熱風式/直火式〕という点においての分類は完全ではありません。具体的にどのような構造を持っているのか、その構造はどのような熱を作るのか、それがコーヒーの味にはどのような影響を与えるのか、という〔構造・熱・コーヒーの味〕という三要素による全面的な理解が必要です。 



 

⑶火の種類による分類(エアロ/赤外線ランプ/ 環境ランプ)

 

〔エアロ〕

熱風を100%使用する方式を言います。 強い熱風を利用して短時間で焙煎します。

アロマと酸味が特徴のようです。

 

 

〔遠赤外線ランプ〕

赤外線を出すランプを持った焙煎機を指します。

安定的なバランスのある味になるようです。

 

〔環境ランプ〕

青い火花を持った焙煎機を言います 

ボディーと甘みを出すのに適しているそうです。




時代や国によって焙煎機の分類基準は少しずつ異なります。

 

ロースター本人は、どのような味を追求したいのかをまず明確にして、その味のためにはどんな焙煎機が最適なのかを調べることが大切です。

 

 

 

 


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